自硬性アルカリフェノール樹脂 PHENIX-500/600シリーズ
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- アルカリフェノール自硬性鋳型の概要とは?
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アルカリフェノール樹脂と硬化剤として有機エステルを用いる新しい有機自硬性鋳型。この硬化原理は日本で既に、1975年頃発明されていたが、1982年頃英国で初めて自硬性鋳型として実用化された造型法。 このプロセスの硬化速度は速硬性から遅硬性までかなり幅広い範囲に調節でき、深部硬化性が良好で可使時間に対する抜型時間比が良くフェノールウレタン自硬性に近い。高温特性として鋳型の崩壊性が良く、鋳型のナリヨリ性がよいため薄肉鋳鋼品での熱間亀裂が少なく、また鋳型の膨張が少なくベイ二ング欠陥が少ない特性を持っている。 またアルカリフェノール自硬性鋳型は、成分として窒素分(N)と硫黄分(S)を含まないため、特に鋳鋼においては従来の有機鋳型造型法に比べ欠陥の少ない有機鋳型造型法として認められ、その適用例が増えている。また最近ダクタイル鋳鉄や銅合金鋳物、アルミ合金鋳物にも鋳造欠陥の少ない鋳型造型法として、また粉塵が少ない、有害ガスや臭気が少ない等の作業環境を改善できるプロセスとしてその適用が増えている。
- 浸炭欠陥対策を教えてください。
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- 肌砂にクロマイト砂を使用する。
- 肌砂に酸化鉄を添加する。
- 浸炭防止効果の大きい塗型を使用する。
- 浸炭の発生しにくいアルカリフェノール自硬性等の造型プロセスを使用する。
- 浸硫欠陥対策を教えてください。
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- 肌砂にクロマイト砂を使用する。
- 肌砂に酸化鉄を添加する。
- 浸硫防止効果の大きい塗型を使用する。
- 浸硫の発生しにくいアルカリフェノール自硬性等の造型プロセスを使用する。
- フラン自硬性ではリン酸系の硬化剤を使用する。
- 熱間亀裂対策を教えてください。
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- 木粉やクルミ粉末などのクッション材を使用する。
- 肌砂のうしろに発泡模型などを「あんこ」代わりにする。
- 発生し易い場所に冷金やクロマイト砂、ジルコン砂、合成ムライト砂を当てる。
- 発生し易い場所に補強リブを設ける。
- 中子は出来る限り中空化するか、砂盗みをする。
- 鋳鋼の微少亀裂の場合はSを0.02%以下にする。
- 熱間亀裂の起こりにくいアルカリフェノール自硬性等の造型プロセスを使用する。
- フラン自硬性ではリン酸系の硬化剤を使用する。またはホウ酸を砂に添加する。
- 球状化不良の対策を教えてください。
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- 球状化不良対策用塗型(マグネシア系・マンガン系)を使用する。
- 溶湯の球状化処理剤を増やして、残留マグネシュームを若干高くする。
- 球状化不良を起こさない造型プロセス(フラン樹脂以外)を使用する。
このプロセスは従来のフラン自硬性粘結剤、あるいはウレタン系自硬性粘結剤とは全く異なった硬化機構を応用しています。また鋳型の崩壊性や高温でのナリヨリ性が良好など他に多くの特長をもっています。
特長
- 鋳型の崩壊性が非常に良好。
- イオウ(S)分を全く含まないので鋳鋼の浸硫、ならびにダクタイル鋳鉄の球状化阻害を起こさない。
また鋳込時に亜硫酸ガスの発生がない。 - アルカリ性のオリビン砂にも使用できる。
- 他の有機鋳型と比較して高温での鋳型のナリヨリ性が極めて良好で、鋳鋼での熱間亀裂を減少できる。
- 鋳型の深部硬化が良好。
- 鋳型の耐湿性が良好。
- 鋳型の熱間強度が良好。
- 混練時鋳込み時の臭気が少ない。
- 鋳鋼・鋳鉄・銅合金・アルミ合金、いずれの場合も良好な鋳肌が得られます。非鉄合金の場合無塗型でも良好な鋳肌が得られ、着色もない。
種類 | 510T | 621BR | 621BX | 675D |
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外観 | 水溶性液体 | |||
主成分 | アルカリフェノール樹脂 | |||
粘度(25℃) | 38~90mPa・s | 30~60mPa・s | 60~120mPa・s | 38~100mPa・s |
比重(25℃) | 1.19~1.23 | 1.19~1.23 | 1.21~1.24 | 1.18~1.22 |
特長 | ナリヨリ性良 | 低粘度 | 高強度 | 環境対策 |
(比重と粘度はいずれも代表値) |
硬化速度 | ||||||||||||
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種類 | C-2A | C-3A | C-4A | C-5A | C-8A | C-10 | C-20 | C-30 | C-45 | C-60 | C-80 | C-100 |
外観 | 無色~褐色液体 | |||||||||||
主成分 | 有機エステル | |||||||||||
比重(25°C) | 1.11 | 1.09 | 1.10 | 1.13 | 1.14 | 1.13 | 1.13 | 1.15 | 1.14 | 1.14 | 1.13 | 1.13 |
消防法 | 第4類 第3石油類 | |||||||||||
(比重は代表値) ※環境対応型硬化剤として、HKタイプもございます。 |
使用方法
- 他の造型プロセスに用いたミキサーの場合は一度洗浄してから使用して下さい。
- 混練順序は通常硬化剤を砂に加えて混練した後、樹脂を加えて混練して下さい。
- 配合割合は珪砂の場合、砂に対して樹脂を1.0~2.0%(重量)、硬化剤は樹脂に対して20%(重量)が標準です。砂の粒度や種類、必要強度によって樹脂の添加量は増減して下さい。
荷姿
項目\容器 | 石油缶 | ドラム | コンテナ | ローリー |
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樹脂 | 20kg | 240kg | 1,200kg(1.2t) | 10,000kg(10t) |
硬化剤 | 18~20kg | 180~240kg | ――――― | ――――― |
- 上記種類以外にも別途取り揃えております。
- 当カタログの物性値は出荷時の値を示しています。
- 取り扱いの詳細については、各商品のSDSを必ず参照して下さい。
- なおカタログの記載内容は、仕様変更などの為、変更することがあります。